日銀が公表している「資金循環統計」によると、今年の3月末時点での日本の金融資産1707兆5130億円となりました。
個人が保有する預金や株式、保険などの金融資産の残高は前の年の同じ時期より5%増加と大幅に増えています。
個人の金融資産が1700兆円を超えるのは統計上の比較が可能な平成9年以降初めてで、過去最高を更新となりました。
金融資産の半分は預貯金
個人の金融資産で最も大きい割合を占める「現金と預金」が883兆となり前年よりも2%増加しています。
全金融資産の割合でいうと約51.9%と日本の金融資産は半分以上が現金もしくは預貯金となっています。
「株式と出資金」が183兆円余り、「投資信託」が95兆円余りと、それぞれ21%増えています。
金融資産の増加は、昨年から続いている株高の影響により株式や投資信託の評価額が大幅に増加しているのが要因です。
欧米と資産割合を比べてみる
それでは、この日本の金融資産の割合を欧米と比べてみましょう。
少し古いデータになりますが、2015年の3月に日銀の資金循環の欧米比較を公表しています。
〇現金・預貯金
日本 52.5%
アメリカ 13.4%
ユーロ圏 34.9%
という比率になっています。
アメリカが、現金や預貯金の比率が低いことは知られていますが、日本の異常な高さが際立っています。
ユーロ圏でも全金融資産の1/3程度しか現金・預貯金の比率がありません。
株式・出資金はより差がある
次に投資資産である株式・出資金の比率を見てみましょう。
〇株式・出資金
日本 9.5%
アメリカ 33.4%
ユーロ圏 17.5%
日本はアメリカの1/3以下、ユーロ圏と比べても半分程度しかないのがわかります。
次に投資信託を見てみましょう。
〇投資信託
日本 5.5%
アメリカ 13.1%
ユーロ圏 7.5%
投資信託については日本はアメリカの半分以下です。
ユーロ圏は意外と日本と大きくは変わりませんが、日本が低いというのが事実です。
日本の現金・預貯金が景気を変える?
日本の現金・預貯金は883兆円あります。
もしこの資産規模が投資に動いたらどうなるでしょうか?
東証一部上場企業の時価総額は591兆円です。
日本の現金・預貯金で日本の一部上場企業のすべてを購入しても300兆円弱はあまる計算です。
もし、日本の金融資産の10%でも投資に向かえば、日本の経済や市場に対して大きなインパクトになります。
日本は持っている個人資産の有効な使い方を考えていくべきではないかぁと思います。
それには、日本の投資に対するマインドをいかに変えていくかが大事ではと思います。
ではでは~